既存の住宅に手を入れることで、新たな価値をつくる「リノベーションマンション」。最新の設備や仕様が取り入れられ、住みやすさが追求された住まいに、すぐ住むことができます。ただ、工事が完了した状態で販売されるので、目に見える部分はキレイだけど、給排水管など見えない部分について、「どうなっているのか不安・・・」と心配する方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、安心してリノベーションマンションを購入できるよう、リノベーション協議会という第三者機関が、「R1住宅」という、品質確保の統一基準をつくっています。
リノベーション協議会:
「リノベーション」の品質基準を定め、優良なリノベーション住宅の理解、普及浸透を推進していくことを目的として設立。リノベーションにかかわる、あらゆる事業者が横断的に集まった団体。
R1住宅は、きちんと検査をしたうえで必要な改修工事を施し、その記録を住宅履歴情報として保管します。住宅履歴情報があれば、点検やメンテナンスがしやすく、将来売却するときにも役に立ちます。また、万が一の不具合に対してもアフターサービス保証がついてくるので、安心して購入することができます。
「R1住宅」とは?
「検査→工事→報告→保証+履歴」の統一規格が定められており、それぞれの基準を全てクリアした住宅を安心して選ぶことのできる住宅=適合リノベーション住宅としています。なかでも区分所有マンションの専有部についてその基準を満たしたものが「R1住宅」と呼ばれています。
●重要インフラの検査
まずは、重要なインフラ13項目について、建物検査を行います。細かく項目になっていることで、お客様から“見えない部分”はどこなのか明確になるのもメリットです。
1.給水配管
2.給湯配管
3.排水配管
4.ガス配管
5.電気配線
6.分電盤
7.情報系配線
8.換気設備
9.住宅用火災警報器
10.床下地
11.壁下地
12.天井下地
13.浴室防水
検査基準は「R1住宅検査ガイドブック」に細かく定められていて、基準に適合していない場合は、修繕・更新といった工事を必須としています。
例えばこんな検査をします
給水配管
・通常の 1.5 倍の水圧を1時間かけても、給水管から水が漏れないか
給湯配管
・複数の栓を同時に開いても給湯・給水ができるか
・お湯の温度がきちんとあがるか
排水配管
・浴室・キッチンなど複数の箇所で水を一斉に流しても、溢れや逆流が起こらないか
・キッチン・洗面所のシンク下など排水管が露出している部分を乾いた手で触って、漏水していないか
・浴槽・洗濯パンから水が溢れないか
電気配線・分電盤
・コンセントを使って、電流の向きが正しいか/アースが動いているか/電気が通っているか
・分電盤内外の基盤や配線に焦げや損傷がないか/正しく配線されており、漏電ブレーカーが正しく作動するか
情報系配線
・テレビアンテナ線がテレビ信号を受信しているか
・電話回線が断線していないか、2カ所以上の場合は電話コンセントの間にも断線がないか
・LAN 回線が通じている場合は正常に通電し断線がないかどうか
換気設備
・キッチンや浴室・トイレの換気扇に異音などの異常がないか/きちんと空気を吸い込んでいるか
●報告(開示)
リノベーション工事が完了した後、「適合状況報告書」の発行が必須となっています。
「適合状況報告書」に記載されている内容
・リノベーションに関わった会社の内容
・重要インフラに関する適合状況
・新規・既存の明示
・不具合があった際の相談窓口
万一の際、どこに相談すればよいのか明確になっているので安心です。
●保証
重要インフラ13項目に関し、新規・既存に関わらず、2年以上の保証を付帯し、アフターサービス保証書を発行することを義務としています。
●住宅履歴を保管
リノベーション協議会のサーバーに、「平面図」と「仕上げ表」を住宅履歴として保管することが義務付けられています。
「配管図」「配電図」「設備位置図」も、更新された場合には保管されます。物件を購入した方には、IDとパスワードをお知らせするので、リノベーション協議会のホームページからいつでも住宅履歴を確認することができます。将来、修繕する際や、売却する際にも、資料が揃っているので便利です。
物件選びの際にはキレイになった見た目はもちろん、見えない部分の安心にも、ぜひ目を向けてくださいね。