土間とは、屋内でありながら、靴を履いたまま歩ける空間のこと。かつての日本家屋では、炊事などの家事を行う・農機具を置く・来客とコミュニケーションをとるなど、生活の中で色々な用途に使われていました。現代のリノベーションでは、見た目もおしゃれな多機能空間として、土間スペースを取り入れるのが人気になっています。
1.玄関をおしゃれで開放的に見せる
“見せる収納”を楽しめるオープン棚。ブラックアイアンの吊り下げバーは、上着やバッグを掛けておくだけでおしゃれに見えます。さらに、LDKとの仕切りをガラス戸にすることで視界が抜け、開放感が感じられるようになっています。
ガラス戸によって、玄関と居住空間の境界が曖昧になっているのもポイント。土間スペースの棚を本棚として使うなど、居住空間の機能ももたらしながら、多目的に活用することができます。
2.サッと隠せるカーテン
靴が取り出しやすく、見た目もおしゃれなオープン棚ですが、丸見えになってしまうデメリットもあります。そこで、ゆとりある空間はそのままに、デメリットをカバーしてくれるのが、カーテンです。来客時など、収納部分を見せたくない時は、サッと閉めれば、すぐに隠すことができます。単に隠すだけではなく、タッセルにこだわって、インテリアのアクセントにするのもおしゃれですね。
3.光と風を通す土間スペース
この土間スペースは、写真右側が窓になっていて光と風が入るのが特徴的。さらに、写真左側の洋室には、上部が開閉できるタイプの室内窓があるので、風が通り抜けていきます。自然の光や風を感じられる心地良い土間スペースには、窓辺に植物を置くのも良さそうですね。
4.帰宅から最短で手をキレイに
ここ数年で増えている玄関回りの手洗いカウンター。玄関扉の隣にあれば、「ただいま」から最短で手が洗えます。特に、元気いっぱい遊んでくる子どもがいるファミリーにおすすめのレイアウト。お友達が遊びに来るシーンでも、洗面室へ案内しなくても良いので使い勝手が良いですね。
鍵やマスク、バッグなど、お出かけ用のアイテムを掛けておける有孔ボードは、子どもの背の高さに合わせて、自在にフックの取り付けが可能。子どもが自分で支度できる環境をつくってあげられます。ベビーカーを余裕で広げられるので、バタバタしがちな朝の支度にも便利。
5.サーフカルチャーと土間
こちらの物件は、サーフカルチャーが根付く街に立地。海に通う日常を想定し、玄関にサーフボードが置けるようなスペースを確保しています。マンションの中だと、置き場に悩むウェットスーツは、土間スペースの吊り下げバーを定位置にするのがベスト。
6.自転車を置くスペースとしても
内と外の中間領域のような土間スペースは、本来なら、室内に持ち込みにくいものも、室内に置けるのがメリット。例えば、自転車の置き場としても使えます。お気に入りの自転車を、目で見て楽しめるほか、メンテナンスの作業空間としても活用できますね。
グレーのモルタル調の床と、ダークネイビーの有孔ボード壁で、無骨な印象を醸し出していますが、アール型(アーチ状)の開口部が柔らかさをプラスして、バランスのとれた雰囲気になっています。
7.リビングと洋室を土間でつなぐ
最後にご紹介するのは、リビングと隣り合う洋室の窓際に、空間をつなげるようにレイアウトされた土間スペースです。明るい自然光がたっぷり入るので、観葉植物を置いて、緑のある暮らしを楽しむのがおすすめ。
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従来のマンションでは、限られた面積の中で脇役的な存在だった玄関。土間スペースを取り入れることで、玄関の印象がガラッと変わりますよね。その分、居住スペースが減ることがデメリットでは?と思われるかもしれませんが、単なる玄関収納としてだけではなく、LDKと一体として使ったり、趣味のものを置いて楽しんだりと、色々な使い方ができます。さらに、玄関以外の場所でも、土間スペースは暮らしに彩りを与えてくれます。
あなたも土間のある暮らしを楽しんでみませんか?