料理・掃除と並び、三大家事の一つと言われている「洗濯」。一口に洗濯と言っても、「①洗濯機を回して洗う→②洗濯機から取り出す→③干す→④取り込む→⑤(場合によっては)アイロンをかける→⑥たたむ→⑦しまう」といったように、工程数が多く、日ごろから面倒だと感じている方も、少なくないのではないでしょうか。
それらの工程をなるべく一箇所で作業できるよう、「ランドリールーム(洗濯室)」を設ける住まいが注目されています。とはいえ、特にマンションの場合は、ランドリールームを広く設けることで、居住スペースを狭めてしまうことにもなりかねません。
そこで今回は、マンションの限られた面積の中で、機能的なランドリールームを設けたリノベーション事例をご紹介していきましょう。
ハンガーを掛けられるパイプ
洗濯機横の上部に取り付けたのは、洗濯機から取り出した衣類を掛けられるパイプ。掛けた衣類は、まとめてベランダに持って行ってもよいですし、隣接する浴室で乾燥することもできます。もしくは、そのまま掛けておいて乾かしてしまってもよいでしょう。臭いや雑菌が気になっていた部屋干しも、最近は“部屋干し用洗剤”が進化しているので、抵抗なく干すことができます。生乾きを避けるには、サーキュレーターを使って風を当てるのも効果的です。
リビングに部屋干しすると、常に洗濯物が視界に入り、生活感が強めに出てしまいますが、ランドリールームで干してしまえば、リビングもスッキリ。
朝洗濯してベランダに干す、夜帰宅してから洗濯して部屋干しするなど、洗濯のスタイルは人それぞれですが、どんなスタイルでも、衣類を掛けられるパイプは使い勝手の良いアイテムです。
アイロン掛けスペースも収納も一箇所に
洗濯機横のカウンターは、奥行き30cmながらも、多機能なスペースです。カウンターの上で乾いた衣類をたたんで仕分けすることもできますし、コンセントが取り付けられているので、ちょっとしたアイロン掛けもすることができます。例えばハンカチにアイロンを掛けるために、リビングでわざわざアイロン台を出すのは面倒に感じますが、浴室や洗濯乾燥機で乾かしたものを、すぐその場でアイロン掛けできたら、作業がその場で完結します。
さらに、カウンター下の棚にバスケットなどを置いて、ハンカチを収納すれば、「しまう」まで一箇所で作業を集約することができます。
このスペースには、下着やルームウェアを収納するのもよいでしょう。洗濯が終わったものをそのまましまうことができ、お風呂上りにはサッと取り出してすぐに着ることができます。家族の住まいなら、パパ用・ママ用・子ども用など人別にバスケットを分けておけば、子どもも自分でお風呂上りの身支度をすることができ、パパ・ママのお世話の手間も軽減されるでしょう。また、人別に収納することで、ママ1人に負担が集中しがちな「しまう」家事を、家族で分担できるというメリットもあります。
棚は、収納したいものの高さに棚板を合わせられるよう、可動式にしておくのがおすすめ。ムダなスペースができてしまったらもったいないですし、収納したいものが変わった時にも棚板を上下することができたら便利です。
洗濯にかける時間を短縮してくれる「ランドリールーム」ですが、更なる時短を叶えるなら、「たたむ」の工程を省いた「たたまない収納」を取り入れてみてはいかがでしょうか。
Tシャツなどのトップスからボトムスまで、ハンガーに掛けられるものは全て掛けて干し、そのまま収納すれば、シワにもならず、たたむ時間もカットできて一石二鳥です。
他にもあるランドリールームのリノベアイディア
●見た目もすっきりする物干しワイヤー
必要な時だけワイヤーを伸ばして、洗濯物を干すことができる「物干しワイヤー」。スッキリとしたミニマムなデザインは、生活感を感じさせず、インテリアに溶け込みます。
●収納動線を意識してWICを近くに
ウォークインクローゼットの出入り口を洋室側だけでなく、廊下側にもつくり、洗面室と行き来する動線を短くしました。浴室乾燥や洗濯乾燥機で乾かした衣類を、すぐに収納へ持って行くことができます
●洗面室とランドリールームを分ける
来客が多い家なら、手を洗ってもらう時に、ランドリールームに洗濯物が干してあると、丸見えになってしまうのが気になるかもしれません。その場合は、洗面室とランドリールームの間を引き戸などで仕切ると、洗面まわりを、キレイにスッキリと保つことができるでしょう。
なるべく時間をかけずに済ませたい洗濯も、「ランドリールーム」があることで、効率的に行うことができます。そして、コンパクトなスペースであっても、工夫次第で機能性を高められます。時間にも心にも余裕ができる「ランドリールーム」、暮らしに取り入れてみませんか。